表紙の話 2022年11月 (湘南山辰)                 

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※一年で1番過ごしやすい季節でしょうか。小春日和の日が続いています。鹿倉山
 富士山に何度か冠雪がありましたが根雪にならないような暖かさが続きまして消えてしまったような。晩秋や初冬に富士山が白くないのは絵になりません。
 今月号の表紙は紅葉の奥多摩、雲取山越えでのを。勘違いで手前の七ツ石小屋にテント泊でしたが、その登り始めに見た鹿倉山辺りの晩秋の景です。翌日雲取山を越えて三峰神社までは結構きつく、最終バスにようやく間に合ってほっとした思い出となっています。

今月の本は 「太陽のかけら」、大石明弘著作。太陽のかけら

 女性初のピオレドール賞受賞でしたが、大雪の黒岳であっさりあちらの世界へ旅立っています。生前に一緒に登攀もしたという著者が谷口けいの生き様を世に知らしめようと書き著した本です。丁寧に取材を重ね真摯に谷口けいの幼い頃からの物語を作り上げています。

 山好きに谷口けいを知らない人は少なくないでしょうが。ヒマラヤの高峰を登攀したとか、偉い賞をもらったくらいしか知りませんでした。野口健のヒマラヤ清掃登山に参加していたことも本書で知り得ました。よく耳にする平出和也とのコンビで困難なヒマラヤの峻峰を登攀していたのを知っていました。「私は山を登る旅人」と言いながら。

 インドの難峰ジブリン北壁登攀は素晴らしき記録。バンドラに魅せられてその登攀を夢見ながら黒岳の冬に消えてしまいました。彼女を取り巻く人間模様も素晴らしく涙無しでは読み切れませんでした。

解説にヒマラヤ清掃登山を一緒にしていた野口健が、その一文も感動の、野口健も見直しました。植村直己賞は辞退したような話も、受けていれば世間一般に広く知られたことでしょうが。いつものことでキリがなくなってきますのでこの辺で。

谷口けい 登攀記録から
(谷口けい) (口絵の登攀記録写真から)

谷口けい……1972年7月和歌山生まれ、2015年12月21日大雪黒岳で滑落死。43歳とは魔の歳、有名な登山家が遭難死してます。長谷川恒男、植村直己、星野道夫等々。

著者……大石明弘(1979年~) 登山家、実業家。
 ……山と渓谷社より2019年1月初版発行、2022年9月ジュンク堂で購入。

山と渓谷11月号 山渓号今月号は懐かしき大御所、岡田紅葉の写真が巻頭を飾りました。若い頃知って忍野へ夜行で撮影に出向いたのが懐かしく思い出されます。もちろん白黒写真でした。

 全国絶景低山特集も面白しと、本棚にとっておいて時折利用出来る今月号となりそうです。「展望の山」として80山、「美景・奇景の山」に20山あてて100山として北海道のぞく全国から選りすぐっての。先日の高取山がまずと嬉しきの。

 エッセイ・山小屋からの手紙連載で懐かしき大鳥池のタキタロウ山荘こと、大鳥池避難小屋の番人さんお話が。2回ほど世話になっていますが、結構不便なところで大鳥池から見上げる以東岳に登山する人は少なくなったようなことを。車利用で百名山の朝日岳往復するだけの登山者が目につくだけでしょうか。

加藤の彫刻1
(昭和29年2月岡田紅葉撮影、
      新雪の忍野富士)

忍野写真
  (岡田紅葉 1895~1972)
(←加藤泰三 1911~1944)  
加藤の彫刻2

 出ました、加藤泰三が。「山を描いた画家たち」にようやく登場です。往年の山好きに知らない人はいないほどの、画文集「霧の山稜」は有名です。ぼろぼろになるほど愛読しています。他に「山より帰る」も同等の画文集ですが平成の初めの頃の限定販売でしたので一般的には知られていません。  
 戦争末期に徴集され南方戦場で帰らぬ人になったのは今さらながら悔しき思いです。
彫刻家をめざしていましたが、画文集は知っていてもその彫刻を見る機会がありませんでした。画文集の絵と同じ気持ちの作品に感動しました。
 今月号は愛蔵書にと本棚に。

 山辰号 

季刊の山辰号 今月は晩秋号、紅葉の季節に忍野の二十曲り峠の富士を表紙に。10年前と古いですが良い天気に恵まれますと景色は映えます。もちろんデジカメで撮ってます。 岡田紅葉偲んで忍野の富士を!

 テント泊山行をあまりしなくなっていますのでテントは使い回しで、山辰は先月箱根外輪山でのを使用です。

 

福小町

 

 

今月の酒は 「福小町」、純米 芳香辛口。創業元和元年秋田の木村の。 
軽やかな果実香と旨味がしっかりまとまった超辛口の純米酒。冷やでキリッと、燗にしてもスッと身体にしみわたる。四季を通じて、軽快な飲み口を愉しめます。余計な甘みを感じさせず、あわせる料理を選ばない。何度口に運んでも、そのたびに鮮烈な印象を残していきます。おすすめの飲用温度 花冷え(10℃)~上燗(約45℃)と、宣伝しています。
          秋田県湯沢市田町 株式会社 木村酒蔵

 アルコール分15.5度、精米歩合70%、720㍉㍑、1155円 クイーンズで。
燗酒で2合ずつ日を分けて飲みました。すっきり感は今一つでしたがそれなりに季節の移ろい感じつつ、秋の夜長にでした。        

    NHKFMオペラ・ビゼー作曲「歌劇カルメン」第一幕ほか聴きながら。
         天気晴れ、気温24.5℃、湿度43%。  
          令和4年11月11日PM 湘南山辰