№２　浅間山冬の旅　２泊３日　　　　（１／７～１／９）　　　　　　　　　<p1>

　昨夜に行き先を浅間山に決めた。上野から特急あさま、スキー客に旅行客などで混み合う。東京はどんより曇っていた。 横川あたりでは雪明けの妙義山が雲を漂わせて素敵な景。雪の世界の軽井沢、日も差し始めて冬景に心踊る。小諸では浅間山も見えていた。

　小諸からのバスもスキー客ばかり登山客は自分一人だった。高峯スキー場から一人雪山へと入り行く。久し振りの雪山にきつし。 けものの足跡を辿って登ってゆく。途中で引き返すことも考えながらだったが晴れ間が広がり気分は乗って行った。 頸城の山々に四阿山、岩菅山なども望見された。

(浅間山間近に)	(避雷小屋で昼餉)

　膝までの雪に苦労しつつも浅間の見える避難小屋まで登った。振り返れば遠く槍も見えてうれしき。 浅間山を間近に、雪景色の原生林を眺めながらビールうまし。簡易小屋で昼餉も風は抜けて寒し。　

　ここで引き返しての浅間山荘であったが崖を下れば直接行けると思ってそれを実行。
雪は膝くらいまであるも確か夏道が通っているはずだと見当で降りていった。結構厳しく岩に膝を打ったりしつつ滑り落ちるように下った。 何とか浅間山への道に出てほっとする。

　夕日は陰って浅間に黒斑の山を淡く照らしていた。もちろん人気は全くなし。動物の足跡に幾分救われた。 秩父の横に富士がかすかにみえてうれしきも浅間山荘までは夏道でも１時間以上であった。

　夜の帳が降りた１７時過ぎに明かりの灯った山荘にようやく辿り着いた。宿は静かで他に客はなし。熱い温泉で生き返った。 風呂上がりのビールのなんとうまかったことよ。食事後部屋でこたつに入ってウイスキーを飲み直し。　　　　　　　　　　　

　

(浅間神社第二鳥居)	(トーミノ頭)

　夜半過ぎから風がうなっていた。寒さに少々遅くなって宿を出たのが６時過ぎ、まだ星が輝いていた。 昨日下った地点までは快調も神社辺りの吹きだまりは雪深し膝上に苦労。 昨日下った岩の崖が何事もなかったように朝日に輝いていた。 見上げる黒斑山も立派な山容だ。
　(←トーミノ頭、真ん中の鞍部を下山した)

　神社の小屋の入口で朝食、おにぎりがうまい。ウイスキーも少々。元気つけての登行だったが湯の平辺りは吹きだまり、数歩進んでは息つなぎ。 数十㍍苦労のラッセル。そこを抜ければ風強い火山道、高度稼ぎながら登るのみ。

　煙吐く浅間山山頂に１３時少し前登頂。だが強風に立っていられず火口見てすぐ引き返す。不気味な火口だったが展望は良かった。 富士山から八ヶ岳、遠く南アルプス、中アに北アと白き襞が連なっていた。

（遠く北アルプスの白銀が）	(煙吐く浅間火口のぞく)

　寒風に追い立てられるように賽の河原まで下って一息ついた。ラーメンにウイスキーのお湯割りで暖まる。 野鳥の大群がひとしきり頭上を飛んで行った。帰り道は我がラッセル辿るだけで気楽な人影無き静かな下山。

　昨日より早く明るいうちに山荘に戻りもう一泊と。また他に客無しも宿の娘さんが来ていて雰囲気は良かった。 ２泊目に慣れて少々飲み過ぎも。　　　　　

(浅間山登山口)	(浅間山荘)

　朝食までのんびり。雪が降っていた。雪見散歩や主人とストーブ囲んで雑談など。食事後小諸駅まで送ってもらい助かった。 里は雨だった。はれぼったい目で人混みへと。特急あさまでビール飲みながら漫画など、時折車窓を眺めつつ。疲れと旅の愁いに身を任せ帰京。
　　　　　　　　　　　＜p１へ＞　　　　　　　　　　　　　　　(平成27年1月23日修正完)