№７ 南アルプス伝付峠越え畑薙ダムへ夏の旅４泊５日 7/17~7/21
７月１７日［日］（曇） 伝付峠から南アルプスへと早川へ (昭和58年) ＜ｐ１＞
交通費……1960+1020+970=\3950 大滝旅館＜宿泊＞
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| （7/18 伝付峠の富士山） | （7/21 井川田代の景） |
７月１８日［月］（雨後曇） 伝付峠越え二軒小屋
何とか峠でゆっくり、抜けてようやく人と出会う。工事作業員二人に犬と。昨年の台風の影響が至る所にあった。その復旧工事の横をヘルメットかぶされて通り抜けた。
ダムに着くと変電所辺りには活気があった。工事事務所が建ち並び喧騒、
山へ行く道は工事の人に聞いて抜け出た。途端、蛇が迎えてくれた。過ぎれば登山道やっと落ち着いて。
谷沿いの道、熊などの毛物にびくつくより荷の重さにうんざり。沢にぶつかる都度に大休憩だった。その後小沢渡るのに崩れた斜面つたうので手間取ったり。 疲れた体をだましだまし登って行く。
東電のプレハブを抜けたところで突然犬２匹が、最初熊かと思ってびっくりも飼い主の声が聞こえて安堵した。まだ先は長かった。足も痙攣気味になりよく休んだ。
引き返すよりは登った方が近いと頑張る。幕営したき所もあったが、小鳥たちに慰められたり小さな沢で喉をうるおし何とか伝付峠に登り着いた。
林道が走って味気なかったが展望は利いた。途中から見えていた富士もすっきり、明日から辿って行く南アルプスの山々、荒川三山に赤石、聖がずらーっと望見された。
その山稜に雲が所々わいていた。しばらく写真撮りに。
ここでもなんだか泊まる気分にならず足には来ていたが二軒小屋へと向かう。途中１度休みを入れて下り着いたのは１７時半だった。 疲れた体をむち打ってテントを張り、枝豆を茹で飯も炊く。疲れた体にビールは利いた。
落ち着いた頃はもう夜の帳が降りて真っ暗になっていた。星空だった。飯を食べるのもやっと、そのまま寝こんだ。夜半に目が覚めて用足しついでに夜空をしばし、 近くの川の流れは変わらずドドドーッと。他のテントは寝静まって小屋の明かりだけが妙に明るかった。
７月１９日［火］（晴れ） 千枚岳めざしたが道間違いに暑さにばて途中撤退
（テントビール代650円）
４時に目が覚めたが体の節々がおかしく疲れはとれていなかった。それでぐずぐず、天気は申し分なかったが。
７時半に出たが沢沿いにそのまま直進してしまい引き返すロス半時。もう日は高く暑かった。取り付きに戻り登りなおしたが結構な急坂、足にまた来ていた。
それでも２時間程がんばったが小さなガレを登り切ったところで倒れ込んだ。もう一歩も登る気力もなくなっていた。それで下山、
二軒小屋に戻ってビールなど飲みながらこれからを思案も同じ所で泊まるよりはと椹島まで歩くことにした。
暑い日差しだったがまだ林道歩きで幾分気楽。
ところが１時間近く歩いた滝の傍で一服していたら椹島の人が声をかけてきて車に乗せてくれた。 運転していた男性がこちらの腰につけていた空き缶の灰皿をほめてくれて気分良く荷台に。 (途中の滝→)
荷台から見る山間の景もまた良いもんだと思いつつ、随分助かって椹島へ１５時。ここで幕営。焼却炉の修理を先程の男性ら3人でわいわいやっていた。テントは他に3張り。 酒をちびちびやりながら夜を迎えた。夜空の星に明日は赤石岳へと決めて。
７月２０日［水］（曇） 生憎の雨模様に椹島を後に下る。
生憎の雨模様に山をあきらめて下山へ。昨年の台風で至るところが崩壊、橋も同じく。バスのある畑薙ダムまで歩きは仕方なし。それがまた工事の車に拾ってもらって助かった。
渡れない橋は工事用の吊り橋で対岸へ渡ったり。歩いて行けばまた車に拾ってもらって助かる。
畑薙ダムに昼過ぎと早かった。茶屋でビールなど飲んでバス待ちに女将さんに温泉宿のことを聞けばダム下を左に入ったところに老夫婦がやっているひなびた温泉宿があると。 それで決まった。バスから降りて雨になった中、山間へ続いている林道を辿る。
東河内温泉とは名ばかり山関係の人たちが立ち寄って入るくらいのひなびた一軒家。 声をかけてダムの売店の紹介できましたと何とか泊めてもらう。老夫婦がやっていたがその小柄な老主人が田舎の親父に似て懐かしい思い。 いろりを囲んで帰りに寄った山作業の人たちと話が弾んでいた。そのいろりの傍でお茶をご馳走になる。
それから風呂へ、ぬるかったが今は夏で丁度良し。雨除けのトタンがあるだけの小さな露天風呂、その先は渓谷に落ち込む。
向かいは雨に煙る深い森にゆったり入って想いに耽った。
風呂上がりに酒を飲んで良い気分になってまどろんだ。
夕食は老夫婦と語り合いながらウィスキーのお湯割りちびちび、いろりの火を囲んで。
寝しなにまた温泉、鼻歌を暗闇の森に発っして旅の想い深し。
７月２１日［木］（雨曇） 帰藤へ乗り継ぎ乗り継ぎで帰藤
生憎また雨の朝だった。客は他に居ないので露天風呂にゆっくり、目は腫れぼったく体の節々に疲れがあった。朝食後町に出る老親爺が送ってくれるということでまた助かった。
井川の村まで、井川ではバス待ちに小雨の中ぶらぶらも野良犬が多かった。野良犬が騒ぐ中をバスに乗った。
（←東河内温泉で）
バスは最後尾の座席に寝こんでいる登山者一人だけだった。途中から中学生が次から次に乗り込んできたがその挨拶しあう言葉は耳に障った。 幼稚園児も乗り込んできたがこちらはあどけないかわいらしさに笑みも浮かぶ。バスはダムを離れ山間をくねくねと越えて行く。またの再会をと井川の村を後にした。
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| （井川田代集落にて） | |
峠を越えれば茶の国駿河の山間。昔の街道筋、まだ名残を残した集落が所々良き車窓の旅。静岡に出ればお終い。ビールを飲んで間を取る。 新幹線で帰るのも早すぎるし急行もあったが東海道線の鈍行で。富士山はレンズ雲をかぶっていた。沼津で乗換えでもまた酒と、生ビール飲みながらのんびり。
山頂に立たずもあの伝付峠越えに満足。途中でばてたのも仕方なきこと、椹島や温泉宿の親切にも触れて助かった。
熱海を過ぎて箱根の山裾をくぐりぬけ小田原、何度か乗り継いでようようの帰藤も心の奥底には旅の想いがあった。
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（2016年7月23日写真挿入など修正し完了）