№1　三ツ峠成人の日冬山行 １泊２日　　　(1/14~１/15)　　　＜ｐ１＞

　へそくりが５千円出てきて、しめたと思って山行きとなった。電車の乗り換えも計画通りスムーズに。中央線で八王子からトンネルを抜けたところがもう雪国だった。雪景色に胸は小躍りした。麓でこれだけ積もっているのだから山は相当積もっているだろうと心配にもなった。

　三ツ峠駅は３回目、前２回は夜行だったので感じが全然違った。駅前の店で腹ごしらえして出発。午後二時だったので上の山小屋に着くのが遅くなると急ぎ足も周りの雪景色がきれいで写真撮りながら。最初は不安があったが歩き始めて調子が出てくるにつれ気分は乗っていく。

　何人かが歩いた跡の雪道を強く踏みしめて登ってゆく。自分をむち打ちながらの登行、時折雪景色に見とれながら。急いでいるが休憩の一服がうまかった。時折下山者とすれ違うが登りは一人きりだった。

（途中で一服）	（富士急沿線俯瞰）
（何組かの下山者たちと）

　一歩一歩登って頂上近くなるともう楽しい気分で余裕が、八十八大師に来れば後もう少し。心配の白雲荘手前の登りも難なくこなしてロッククライミングのゲレンデへと出た。まだ取り付いているクライマーも見えた。

　最後の急坂を登り切って富士見山荘に予定より幾分早く17時前に到着。

　連休に泊まり客は多く一人だったので最初はなじめず気まずい思い。コーラをぐいっと飲み干して夕景色もそこそこに炬燵に入り込んだ。

　

　前日の寝不足もあってだいぶ疲れたか頭が痛かった。足にもきて痙攣しそうになっていた。

（三ツ峠山荘と富士山）	（三ツ峠夕暮れ）

　一晩眠れば直るだろうと夕食済ました後テレビを見て10時半頃布団に潜り込んだ。直ぐ眠りついていた。

　あいにくの天気に日の出も望めず、富士山も雲の中だった。帰りの準備して朝食をとる。
　８時前に小屋を出発。そのまま河口湖へ向かって木無山へ。

　

　あいにくの天気だが周囲の雪景色は良かった。小用で名前なども書いたりと遊びながら。富士は見えねど写真は良く撮った。

　

（四季楽園ゲレンデ）	（富士見山荘）
（三ツ峠山荘）	（三ツ峠展望園地）

　富士急沿線の町を眺めたりしながら雪を蹴って下って行く。心地よい気分だった。小屋で同宿の登山者達とも追いつ追われつと楽しく。成人の日に我が人生を思ったり、鼻歌うたったりしながら。都会の憂さを忘れて束の間の快感に酔いしれる。

（伐採されまくった尾根を河口湖へ）

　眼下の雪景色を時折見渡しながらと気分は乗った。町も田畑も真白く雪に覆われて別世界。その雪景色に見とれながら雪上にどかっと腰を下ろしての白い煙をふかす、一服もうまし。この感激を誰かに分けてやりたい気分。いつもは富士を眺めながら下る尾根だったがあいにく見えずもこの眼下の雪景に満足。

　いつの間にか雪も降り始めていた。１０時５４分発の河口湖駅発の急行に乗るため急ぐ。小走りで雪を蹴りつつ。初めて天上山ロープウェイにも乗った。

　たった３分で下駅に着いたが急いでいたので階段で滑って尻餅をつく。山では一度もこけなかったのに靴に雪が着いていたようだ。

　河口湖畔からもさっさと駅へ。予定の急行に間に合って座れた。雪が降りしきっていた。　その車窓見ながら一杯やりつつ河口湖を後にする。雪の降る町をぼんやり、旅の愁いに……。
　　平塚までは遠かった。　　　　　　　　　　　　　 ＜先頭ページへ＞

※若かりし二十歳の、成人式は出ず山へ。還暦とうに過ぎた今でも気分は変わらず。まだ国鉄時代、乗車運賃は安かっ　たがこの後どんどん値上げしていった。
※カメラはペンタックスSP、ネガからスキャンも保存悪くカビ着いていたが何とか見られるように。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　（2018年1月21日修正、完）