№12 裏燧林道から尾瀬ヶ原往復初夏の旅１泊２日　(5/24~5/25)　　　<p1>

　生憎の天気、首都高スイスイと抜けて東北道に入ったが雨本降りと。蓮田SAで最初の休憩。最初は雨本降りの中を走ることに。宇都宮抜けて曇りとなり、西那須野で予定通り降りた。檜枝岐方面にもう決めていた。何度も走った道に勝手知ったるで塩原もスイスイ抜けて山王峠を越えた。

　沼津街道に入ってから暫く三岩岳の雪尾根が見えたがその準備がなくそのまま小豆温泉を通り抜けた。檜枝岐に９時半、食料の買い出しはストアに買いたい物無し、酒屋で缶ビールに酒を仕入れて御池へと向かう。新緑の山道を休まず上ってまだ雪が残る御池に１０時と。ウグイスが鳴いていた。

 

 

　山準備して御池の食堂で早い昼食、うどんで。客は他にまだいなかった。山開きしての最初の日曜も天気のせいか少なく駐車場も空いていた。腹ごしらえして裏燧へと入る。直ぐ御池田代、水芭蕉がもう大きく開いて群れ咲いていた。広い木道を行くと湿原には水芭蕉が小川に沿って咲き広がりまずは尾瀬へ来たと実感。ウグイスが鳴き合って嬉しき。そこから雪混じりの道を上田代へと登り行く。

（御池田代）	(水芭蕉が咲き群れて)
(裏燧林道・上田代)

　雪の踏み抜きも時々、スパッツを付けてない足回りではちょいと苦労。帰りの登山者等とも時折。上田代の広い草原で一服してあせをふく。ここでスパッツを着けて足回りに不安なし。

(ダケカンバ老木)	(檜老大木)
(裏燧林道を)	(その古木生き様見ながら)

野鳥の賑やかな囀りを楽しみながらまだ春浅き残雪まばらな道をぶらり。何度か通った道で記憶はまだ新しく新緑の始まったブナ林に入れば野鳥なども賑やか、ミソサザイ、コマドリ、メボソムシクイにセンダイムシクイと、かすかにホトトギスの鳴き声も届いて嬉しき。
　ハイカー何組かとすれ違ったが静かな山歩きだった。檜の古木も森の深さを演出。新緑のブナ林は曇り空で色は映えなかった。オオカメノキやこぶしの花も時折目を楽しませてくれた。渋沢分岐、三条の滝への下り道と分かれて段吉新道は残雪も消え新緑華やかな小鳥遊ぶ良き散策路であった。

(尾瀬ヶ原に入れば水芭蕉が	(温泉小屋辺りも)
(池塘に水芭蕉)
（水芭蕉とリュウキンカ）	(リュウキンカ)

　何度か小沢を渡り、回り込むように尾瀬の一角、温泉小屋に着いた。水芭蕉が咲き、リュウキンカが湿原を黄色く染めている。と、その湿原の果てる辺りの森からカッコウの懐かしき声が響いてきた、カッコウ、カッコウと。木道を辿り行けば水芭蕉がそこら中に咲き群れて、遙かな尾瀬の歌が自然に頭に奏でられる。

(水芭蕉咲き誇る尾瀬ヶ原へ)	(尾瀬ヶ原の見晴)

　尾瀬ヶ原に出ればまだ冬枯れの草原、そこに水芭蕉が明るく群れ咲いている。ウグイスが鳴き合う。至仏山も直ぐ近くの燧岳も生憎雲に隠れているが、水芭蕉の花たちを見ているだけで尾瀬の懐かしき思いを味わえる。休日の割にまだ早いか人影はまばらで静かなのも良かった。見晴も静かであった。

　カッコウが裏手の森で鳴いた。ウグイスも鳴き合っている。早速テント場に入り端っこのまだ冬枯れの林の傍らにテントを張った。まずは缶ビールで乾杯。落ち着いた所で尾瀬ヶ原へ少し入り込んだ。黄昏が迫り何だか寂しい光景、蛙が鳴いていた。富士見平へ向かう方の森からカッコウの声も時折。ショウジョバカマのかわいい花がひっそり咲いている。木道に沿ってちらほら水芭蕉の白い花、少し離れたくねって流れる小沢ににも群れ咲いて盛り上げる。　　　(見晴幕営地に →)

　竜宮小屋まで行く前に団体さんがこちらへ向かって来るのでもう良いと引き返した。テント場は二張りだけ、片方も年配の男性一人だけ静かであった。受付は直ぐ傍の燧小屋、800円は高し。トイレは水洗だった。チップ百円はテント代で十分と。小雨が降り出して16時過ぎにはテントに入る。
缶ビールあけた後は檜枝岐で買った地酒の花泉を燗で。小屋の発電機の音が少し響いてくるが小鳥の聞きなしには影響なし。酒が入るほどに小鳥たちも静かになり暮れなずんで行く。蝋燭を点ける前にバーボンのお湯割りもきいてそのまま寝込んでしまった。

　夜半過ぎから寝起きの繰り返し、夢見は昔の職場の人間が代わる代わるとまったくの。夜半に目が覚めたときは霧に包まれていたが３時頃より雨と、がっかりして小鳥が囀りの始めた早朝もゆっくり。味噌汁に切り餅のしゃぶしゃぶといつもの朝飯後雨に煙る尾瀬ヶ原ぶらりと。早速カッコウが左手の森より聞こゆ。ウグイスも鳴き合っていた。

(尾瀬には水芭蕉)
(生憎ガスって水芭蕉も映えず)

　傘を差して尾瀬ヶ原中央の木道を入り込んでいく。余り期待せずだったが横切る沢、六兵衛堀とかにぶつかった辺りから気分が乗った。ウグイスが素敵に鳴いた。渡る橋の周りに水芭蕉の乱舞と。木道の先に至仏山が見えれば最高も生憎の垂れ込めた雲、耳には尾瀬の良さが伝わってくるが。

　原を抜け竜宮小屋のある灌木林に入ればまたウグイスなどが鳴く。沼尻川には魚影も見え滔々と流れ下っている。小屋には寄らず富士見峠方面へ水芭蕉の群落を見に。ここでお腹の調子悪くなり我慢しつつ写真撮ったり録音したりと。カッコウも鳴いていたが風に小雨がと状態悪し。

　至仏方面への真っ直ぐの木道を有名な水芭蕉の池塘へ。さすがに写真屋は早かった。幾人かが三脚立てカメラかまえていた。水芭蕉は咲いているが山は垂れ込めた雲の中。時折の小雨も煩わしき。引き返そうとしたときに薄日が差し遠目も利いた。水芭蕉の群落も映えて山は見えずも原が夢の世界へと変わった。霧に浮かぶ白樺の木も良し。

　池塘の流れにそって群れ咲く白い水芭蕉に黄色いリュウキンカ、遠くで鳴き合うウグイスやカッコウ。懐かしき尾瀬の想いあり……。人影に目が覚めて引き返す。お腹の調子は竜宮小屋のトイレですっきり。帰りにザゼンソウも見たが昔のように咲き誇ってなかった。ショウジョバカマもちらほらと咲いていたが。蛙もか細くゲラッゲラッと。

　見晴らしのテントに戻ると我がテントしかなかった。もう帰るだけとゆっくり片付ける。８時半に見晴を後にした。ハイカーで賑やかな通りを温泉小屋へ、水芭蕉やリュウキンカの花たちを見納めつつ。カッコウは左手遠く森の中よりカッコウカッコウと。小屋を通り森へ入ればもう御池へと向かうだけ。小鳥の声に時折耳をそば立て録音しつつと。間に日が差して森の中が緑まぶしき別世界に展開したときは腰を下ろしてじっくり。

　時折ハイカーに出会うだけの静かな裏燧林道であった。天神田代やら横田代、上田代と素敵な草原を抜けて行くのも楽しき。いつの間にか晴れ上がり左手遠く白き峰は懐かしき平ヶ岳の山稜だった。振り返り見れば燧の山巓も見えた。後ろ髪引かれつつも下りきった御池田代で最後の水芭蕉を観賞。

　ウグイスの囀りに送られつつ御池駐車場に正午に到着。着替えを済ましそのまま下る。緑瑞々しきブナ林を縫う道に時折車止めては写真撮りながら。七入りからは燧岳も全容を。御円は言って昼をと檜枝岐でしばし。

　燧の湯に駐車してから、かどや民宿食堂で名物裁ソバを軽く付けて。１３時で客は無し、座敷みたいな部屋で川向こうの緑の山見つつ。いつも思うが付け汁が少なし。ソバ餅とそばゆはおいしかった。後は温泉で汗を流す。

　昨秋も寄っているので慣れて受付へ、応対の男性も同じ、そのままお湯へ。客は他に一人、その一人が出た後は露天風呂に入ったりと長閑に楽しんだ。一眠りしたかったが眠気はなくコーラを飲んで飾ってある写真などを見て時間をつぶす。土産酒屋で花泉と男山２升を買う。

　後は行きと同じく山王峠越えで塩原、東北道は西那須野からと。少々遅い車にいらも渋滞はなく１６時半東北道に乗った。檜枝岐辺りでは２１時頃到着の予定とナビが、東北道に乗った頃は２０時前となっていた。途中適度に休憩入れたが最後の蓮田SAに入りそびれてそのまま首都高へと。ガソリン低下のランプがついたので気にしながら。トイレは羽田前で済ませたがガソリンは大師で一旦降りて給油した。さすがに疲れての東京横浜通過であった。藤沢には２０時前帰着。　　　　　　　 ＜先頭ｐ１へ＞　　　　　　

※デジカメはオリンパスE-3と12㍉～60㍉レンズ、キヤノンIXY D900 IS使用。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2025年5月30日記録完予定)